日本の恥さらし番組

「ぶっこみジャパニーズ」というTBS系列の番組って日本の恥さらしじゃないですか?番組概要としては、海外の「ニセジャパン」を日本が誇るカリスマたちが正体を隠して潜入して技術を伝授する、というドッキリ系の番組です。これもう11回目になるそうです。そんなに人気があるんですね……。私も何回か見たことがありますが全然面白いと思えず、なんなら恥ずかしいと思うほどでした。

例えばこんなケース。まず番組が海外で人気のお寿司屋さんを見つけてきます。そこのお寿司は現地では人気があるけれども、日本の伝統のものとは遠いお寿司です。作ってる人も正しい寿司のつくり方を知らないし、オリジナルのお寿司ばかりをメニューとして出しています。それに対し日本の職人を派遣し、正しい「日本のお寿司」を伝授するのです。ただ普通に伝統の技や味を伝えるならいいのですが、やり方が非常に汚いのがこの番組の特徴です。ある時は寿司職人に覆面を被せ素性を隠し、「このお店で修行したい」と潜入させてその店のやり方をこそこそバカにするというものです。寿司職人は素性を隠しているので、外国のお店の人はその店オリジナルのお寿司のつくり方を日本の寿司職人に教えます。それに寿司職人は呆れたり、スタジオの芸能人がバカにしたりするのです。そして最後に、「日本人が寿司ショーをやる」などといって外国人のお寿司屋さんを呼んで、日本の寿司職人がマスクを外し伝統の技を見せるというものです。最終的に外国人のお寿司屋さんは日本の伝統寿司とその技を絶賛、今までオリジナルでやってきたことを謝ってこれからは本格的お寿司を作ります、などといって一件落着というオチになります。




一回の放送の中で寿司が他の和食に変わったり、空手や剣道といった武術をやったりしますが大体このパターンを何本か繰り返します。

私がこの番組が嫌いな理由はいくつかあります。

まずオリジナルであろうと、日本のことに興味を持ってくれている外国人をバカにした構成だということ。確かに日本の技術に対してリスペクトのないオリジナルなものになっていることもありますが、わざわざドッキリをしかけ無理やり「正しい」ことを教え込むというやり方に腹が立ちます。一部視聴者にはこの「水戸黄門」風のやり方が人気らしいですが、私からしてみればただの押し付けにしか感じません。陰でやり方を批判して、正しさを武器にやりたい放題です。

それに日本だって外国から来たものをいろいろ改造してますよね。洋食だって日本人の口に合うようにかなり変えられてますし、オリジナルも多いです。それは棚に上げて外国のものを否定するんだから全くもって呆れてしまいます。日本の味付けを現地で喜ばれるような味や見た目にアレンジすることの何が悪いんでしょうか?

それにこういう番組があるということ自体、外国の方に対して恥ずかしい思いです。確かに日本の伝統は大切ですが、海外の方をバカにしてまで守らなければいけないものか?と思ってしまいます。守っていくものと変わっていくもの、その両方が大事だと思うんですけどね。

とりあえず数本の構成のうち一本くらいは日本の「ニセ外国」を外国人が無理やり上から正すものも入れてくれませんかね?そうすればどれだけこの番組が外国の方に対して失礼な番組かわかると思いますよ。